息子の送迎で毎日歩く並木道、桜のあとは躑躅(つつじ)が咲きそろって綺麗です。花というと白や暖色系が多いと思いますが、青くてひっそりと咲く小さい花(オオイヌノフグリやスミレとか)もこの季節よく見かけます。
ラジオ深夜便・きょうの一句の4月24日にこんな句がありました。
「この花に勿忘草といふ名あり」清崎敏郎
勿忘草に「わすれなぐさ」とルビが振ってあります。名前のように水辺や道端に地味に咲いている印象の薄い花だと思います。
どんな花かぴんと来ない方はこちらをどうぞ。
http://pht.so-net.ne.jp/photo/miiya/images/1416943
勿忘草はヨーロッパ原産の多年草。春から初夏にかけて淡青色の可憐な花を着け、花言葉は「私を忘れないで」「真実の友情」「誠の愛」。
アラスカの州花だそうで、寒い地方でも育つ花のようですね。
昔から愛と誠実のシンボルとして多くの民謡や詩に歌われているそうです。
上の句の解説文に「ドイツの伝説から」命名されたとあり、どんな伝説なのかと検索してみました。
よく知られている(らしい)のがドナウ川ので、ほかにもう二つ見つかりました。まだ他にもありそうですね。
昔、ルドルフとベルタという若い恋人同士が春のタべ、ドナウ川のほとりを歩いていた。(ルドルフは騎士で、重い鎧を着ていたという話もあるようです)
ベルタは河岸に咲く青い可憐な花を見つけ、ルドルフに採って欲しいとせがんだ。
彼は岸に降りてその花を手折った瞬間、足を滑らせた。そして花を岸辺に投げて「私を忘れないで(Vergissmeinnicht)」と叫ぶなり、急な流れに呑まれてしまった。
残されたベルタはルドルフの墓にその花を植え、彼の最期の言葉を花の名にした。
ドイツに伝わるこの伝説から、この花は"Vergissmeinnicht"と呼ばれる。英名では"Forget-me-not"、中国と日本では「勿忘草」、何れも同じ意味です。
ある日、迷った羊を探しに山奥に入った羊飼いが、今までに見たことのない青い美しい花を見つけた。それを摘んで見とれていると、もたれかかっていた岩が割れて山の女神が現れ、ついて来るように言った。
促されるままについて行くと、割れ目の奥は大きな洞窟になっていて、その中央には黄金の山が光り輝いていた。
「好きなだけお取りなさい。でも、一番大切なものを忘れてはいけませんよ。」
女神はそう言うと姿を消してしまった。
貧しい羊飼いは夢中で黄金をポケットや帽子、ありとあらゆるところに詰め込み、両手に持てるだけ持って帰ろうとした。
その時、先程摘んだばかりの青い花が悲痛な声をあげた。「私を忘れないで!」
しかし羊飼いが花には目もくれずに駆け出すと、頭上から岩が崩れ落ちてきて彼は埋まってしまった。
女神が注意した「一番大切なもの」とは、小さな青い花、勿忘草のことだったのですね。
アダムがエデンの園にいたとき、楽園の植物すべてに名をつけて回った。
つけ終わると、神は、アダムを連れて園内を巡回した。植物にそれぞれの名を言わせて覚えているかどうか調べて回るためである。
すると、この青い小さな花だけが、うなだれて小声で「難しくて忘れてしまいました」と詫びた。
神はこの小さな花を哀れんで「自分の名を忘れたからとて気にすることはない。しかし、私を忘れてはいけないよ」と慰め、改めて「忘れな草」の名を与えた…そうです。
2008年04月26日
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