2008年03月07日

でっちあげ

冤罪という言葉を使う気にもならない、出来の悪いでっちあげ。どうしてこんなことがまかり通ったのかあきれてしまう事件です。
04年3月、火事の焼け跡から刺し傷のある男性が見つかり、実の妹が窃盗と威力業務妨害の罪で逮捕されたあと、殺人と放火の罪で逮捕されました。
5日、福岡地裁は殺人・放火については無罪と判断、昨日の朝からこの判決のニュースが流れました。
http://www.asahi.com/national/update/0306/TKY200803050354.html
北九州市八幡西区で04年3月、無職古賀俊一さん(当時58)方が全焼し、刺し傷のある古賀さんの遺体が見つかった事件で、妹の片岸みつ子被告(60)に5日、殺人と非現住建造物等放火について無罪が言い渡された。裁判で争点となったのは、留置場で同房だった女性(25)が片岸被告から聞いたとされる「犯行告白」。福岡地裁小倉支部の判決は、その任意性と信用性に疑問を示した。

地元ではもっと詳しく報道されたのかもしれません。
テレビのニュース番組や新聞の報道を見ただけの段階では、要するに証拠不十分という感じでした。
窃盗などでは執行猶予のついた判決が下ったということで、「真っ白の白」で無罪、という印象を受けなかったのは私だけではないでしょう。
正直なところ、「ホントにやってないのかな」という目で彼女の映像を見て、「疑わしきは被告人の有利に」とか言うからな、と思ったものです。
それがとんでもない誤解だということはネットの情報で知りました。

こちらのサイトに詳細があります。
http://www.hikinoguchi.com/gaiyou.html
「窃盗」というのが、生前の兄(アル中)に再三、
「自分が死んだら預金を下ろして、次女に学費を渡してくれ、母の葬儀代にしてくれ、俺の後始末をしてくれ」
と頼まれていたから、その通りにしただけだというのです。
このお金をネコババしたわけでもなく、事情を聞きにきた刑事にも話したし、兄の家族にお金を渡そうとしていたらしいです(別居中だった妻に拒否されたとか)。
マスコミはもっとこういう実情を報道するべきだと思います。

もちろん、遺産相続者は配偶者と子ですから、妹が勝手に預金を引き出すのは法に触れます。妻が受け取りを拒否したというのもそういう不満があったからでしょう。
でも(そうと知らずか知ってか)似たようなことをしている人は世の中にたくさんいるでしょう。逮捕されるほどのことかと疑問に思います。
また威力業務妨害というのも、別居中の兄の妻が公文の教室として使っていた(だから業務の妨害とみなされるのでしょう)実家の離れに、兄や母の居室とするために壁を設置したというもの。大げさな罪名をつけて逮捕するようなことではないと思います。

彼女が殺人・放火で逮捕されることになったのは、留置場で不自然に長期にわたり同房となった若い女が「彼女から殺人の告白を聞いた」とメモした、たったそれだけの供述調書が根拠だそうです。
この女はこの「功績」により、かなり優遇されたようですね。取調官と特別な関係があったのかどうかは不明。
上のサイトを見れば、犯人扱いされた彼女が普通の幸せな家庭を持ち、パッチワークを趣味とする優しい市民であることが伺われます。
なぜ警察は、少女時代からたびたび補導され覚せい剤に手を出しているような女をスパイにし、その話を鵜呑みにしたのか。なぜ強引に、この善良な女性を凶悪犯に仕立て上げようとしたのか、どう考えても不思議です。
でっちあげた警察はともかく、検察はいったい何を考えて起訴したんでしょうか。

警察は、真犯人を実は知っていて、それを明らかに出来ない事情でもあるんでしょうかね? 警察関係者とか。
また、私が思うのは、亡くなった人の預金を下ろすことが出来たというのは、銀行の落ち度ではないのかということ。下ろせてなければ彼女は逮捕されず、殺人放火犯にされることもなかったと思います。
ひっそりと亡くなっていたのならともかく、こんな大きな事件は実名で報道されたはずです。銀行はすぐ口座を凍結しなければならなかったんじゃないでしょうか。
下ろした人を逮捕するなら、下ろさせた方にも同じくらい責任があると思うのです。

(おそらく)取引してスパイを仕立てる。「蜘蛛女のキス」という古い映画(ウィリアム・ハートとラウル・ジュリア)を思い出させる、嫌な気分になる事件でした(映画はとても良かったです)。
古くは三億円強奪事件のとき、別件逮捕という行為が激しく非難されました。あのときは怒ってたんすの上を叩いた行為が脅迫とされたような記憶があります。オウム事件のころは偽名でホテルに泊まったのが罪に問われたりしてましたね。
…なんにも悪い事をしてなくても、ある日突然凶悪犯に仕立て上げられることもある、日本ってそんな国だったのかとあきれたりゾッとしたり。
このお粗末な「でっちあげ」茶番劇のシナリオを書いた人物は、ちゃんと法の裁きを受けるのか、知りたいものです。
posted by dashi at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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