2007年12月14日

問題行動

昨日は勉強会に行って、自閉症の専門家に問題行動への対処など伺ってきました。
(講師は京都市発達障害者支援センター・中山清司さんです)
問題行動というのは「周囲の状況や関係によって決まる相対的なもの」であるという指摘には、ナルホドと思いました。
例えば、
何度も石鹸をつけて繰り返し、手洗いがいつまでたっても終わらない人に対しては「きれい好きなんだね」。
疲れを知らず走り回る多動の子に対しては「元気いっぱいだね」。
という見方も出来る。たしかにそうです。
それが問題のある行動として親が死にたくなるほど悩むことになるのは、水道代が非常識な額になったり、片時も心の休まるヒマがないほど振り回されるから、だと思います。

療育センターのとき一緒だった子に、激しい多動の子がいました。
その子のお母さんは看護師の経験があったせいか、とても度胸の座った人でした。
その子の妹がまだおなかにいた頃、ちょっと目を離した隙にその子が飛び出して、大きな通りの向こう側に行ってしまったことがあるそうです。
「トラックばんばんのイチコク(国道1号)を横切ったんだよ〜。ぞーっとしちゃった」
と笑うお母さん。幸い、急ブレーキかけたりクラクション鳴らす車はなかったそうです。
「ああいう子は上手にすり抜けるんだよね。車に轢かれたって話は聞かないなあ」
と屈託がありません。
周りにいた人は「それで、どうした?」と身を乗り出しました。

するとそのお母さんは困ったような笑顔で、
「だってえ、どうしようもないよ、こっちは妊婦だし」。
引き返してまた横断しないことを祈りながら、何メートルか先の信号が青になるのを待って渡ったそうです。いちおう「こっちに来ちゃダメ」と声をかけながらだったそうだけど、それを聞けるような子だったら苦労はありませんよね。
でも同じことは二度としなかったそうですから、子どものほうも何となく感じるものがあったのでしょうか。実は怖かったとか?
その局面で、卒倒しそうになったり逆上して泣きわめくお母さんもいるかもしれませんね。
同じエピソードでも語る人によってずいぶんイメージが変わりそう。問題行動と深刻に悩むか、しかたないとさばさばするか、お母さんの個性がだいぶ出そうです。

ところで、今回、例として挙げられた問題行動に「突然、着ている服を破って裸になってしまう」というのがあり、思わず隣に座っていた友人と顔を見合わせて笑ってしまいました。
ウチの息子も同じようなことをしていたからですが、のんきに笑っていられるのは過去の行動となったからです。
今も上履きを破るなど油断なりませんが、裸になるほど激しいパニックは卒業した様子。当時はクラーーい毎日が一年半も続いたのに、「過ぎてしまえばみな美しい」「日にち薬」を実感しました。
ここで挙げられていた実例は女の子で、登校途中のバスの中で破っていたそうですから、もっと深刻だったでしょう。付き添っていたのはお母さんでしょうか、いつ始まるかとびくつく切ない気持ちがよーくわかります。

今回のお話の<問題行動への対処>の中で、「適切な初期対応」としてまず挙げられたのが「静かに、落ち着いて対応する」ということでした。
ゆっくりと近づく
※小さな声で、ゆっくりと、しかしはっきりと聞き取れるように
※視覚的な手がかりを使う:指差し、文字、絵や写真、モデルを示すなど

たしかに、私も身に覚えがありますが、びっくりして「きゃー、何てことするの! やめなさーい」と騒ぐと、その問題行動に油を注ぐことになるようです。
まずは深呼吸して、「落ち着け、落ち着け」と自分に言い聞かせるといいかもしれません。
先の「だってえ、どうしようもないよ」と苦笑していたお母さんは、きわめて適切な対応をとったことになるでしょうね。

問題行動の中でもとりわけ家族が悩まされるのは、夜中に寝かせてもらえない睡眠障害だと思いますが、時間が限られていたせいか、これについては話が出ませんでした。


posted by dashi at 21:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 自閉症関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ためになる講演だったようですね。

私は思うのですが、そういう 感情は抑えて、でも(子どもにわかりやすいように)きちっと教える、やり方って、障害のない子供にも とてもいいんですよね。
子どもと同じ側に立ってる保育の場では、そうされていると思います。

親御さんでも、「ちゃんと怒ってるんですよ!」というデモンストレーションで、わあわあ怒る方もいらっしゃいますが。

きゃあ何してるの!って、もう思わず言ってしまってるときもあるけど、反応を引き出すために やることを強化してしまうときもある。2−4歳くらいの、障害のない子たちの行動を見てて、よく思います。
うちの1歳児も、どんぐりを口に入れようとしたとき、「わああ!どんぐり駄目よ!」っておっしゃった方がいらっしゃったのですが、1歳のほうは、とられまいと口を閉め、上を向きます(そのほうが余計危ない)。だから、ウワッ!!と内心思いつつ、はいはい、という感じでさっと取り出す(そして、危ないものを見せない)ほうがいいな、と思うのでした。

お話を以前聞いて、「なぜ服を」と思ったのですが、
先日、ジーパンのファスナーが壊れて、ファスナーを引っ張ったら、バリーーッと、厚い布のほうが裂けてしまったんです。思わぬことでしたが、わあ、これは気持ちがいい!と思いました。紙やぶるのより達成感が(すみません、でもホントに)
もういいや、と卒業されたということでしょうか。
Posted by mm at 2007年12月15日 21:59
はい、ジーンズをビリーとやるのはさぞかしスカッとすることと思います。嬉しそうにやってましたよ。(私は力がないから無理ですが…。)
紙や葉っぱを破る子が上の学年にいて、羨ましかったですが…。
息子のイライラ解消や「筋トレ」にはすごく有効だったと思います。重い荷物を軽々と持つし、かなりの力持ちのようですよ^^。
「ええい、好きなだけ破れ!」と開き直って、綿ぼこりを覚悟して(ジーンズはひどいんです)買った業務用空気清浄機が不要となり、娘に邪魔者扱いされてます^^。(たまーに使いますが、空気がすっきりするのがわかりますよ。花粉も取れるそうです。)
卒業か飽きたのか、よくわかりません^^。

コメントありがとうございました。
Posted by dashi at 2007年12月16日 19:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/72848355
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。