2007年12月08日

フクロウ

今朝教育テレビをたまたまつけたら、子供向け番組のテーマが「フクロウ」でした。
スタジオにフクロウが各種並んでいて、首を回したり目を閉じたりしています。生きたフクロウは珍しいので、フクロウ好きの娘も呼んで一緒に見ました。
動物写真家の宮崎学さん(「フクロウ谷」の住人)がゲストで、子どもたちの質問にもたちどころに答えてくれていました。
(なお宮崎学さんの「死を食べる」という本は以前ここで紹介しました。
http://dashisroom.seesaa.net/article/38097048.html
フクロウの生態、なかなか面白かったので、そのあと調べたことを足して書いてみたいと思います。

フクロウは分類上は鳥綱フクロウ目、メンフクロウ科とフクロウ科の二つがあります。
南極以外の世界中に分布し、世界全体で212種、日本には10種ばかりが生息しているそうです。
ミミズクも同じ仲間ですが、頭の両側に耳のように突き出た羽(羽角=うかく=)があるものをミミズク、ないものをフクロウと呼んでいます。
アイヌでは守護神としてあがめていますが、日本では長く不吉な鳥として認識されて来ました。
私にもそんなイメージがありますが、首がぐるっと回ることや、音もなく忍び寄る(羽音をたてない)不気味さ、獰猛な猛禽類であることからかなあと個人的には思っています。
近年は「不苦労」「福郎」の当て字から縁起物として需要が高まったということですが、長野五輪のマスコットやハリー・ポッターシリーズの影響もあるかもしれませんね。

[目]
フクロウは夜目も利き、人間の100倍よく見えるそうです。
フクロウの目は網膜に櫛膜(しつまく)という櫛の歯のようなものが並んでいて、格子を通して外を見れば動く物がよく見えるのと同じ原理で、網膜に像を濃く写しだすと言われています。またフクロウは網膜の細胞が非常に多くて、鮮明に見えるらしいです。
フクロウは両眼視と単眼視が出来て、右目と左目が別々の物を見ることが可能だそうですから、視界がずいぶん広いとも言えそうです。
夜行性のフクロウは闇の中で目が光ります。これは猫や犬と同じように、わずかな光を目の奥の「照膜(タペタム)」というところに集めて、明るく反射しているから。
…万能ではなくて、フクロウなど夜行性の鳥は、色が判断できないそうです。

フクロウには薄目を開けているというイメージがないでしょうか。半透明の膜で目玉を覆っているような。あれは第三のまぶたと呼ばれる「瞬膜(しゅんまく)」で、眼球のクリーニングや保護をしているそうです。
瞬膜はフクロウ以外にも多くの動物にあり(蛇やサメはわかりやすいんじゃないでしょうか)、人間にも目の付け根部分に痕跡が見られます。

[耳]
ミミズクの「羽角」は耳ではなく、耳は顔のすぐ脇にあります。
顔を縁取りしたように羽毛が生えた部位(顔盤)がありますが、その縁に沿った場所に、ちょうどズボンの脇ポケットのように、押し広げたら奥行きのある耳の穴が(テレビ画面に)現われました。
かなり大きい(長い線状)上に左右対称でなく上下にずれ、奥行きもずれがある。これによって、立体的に音を捉えることができるそうです。
テレビの実験では、音源となるスピーカーにフクロウが顔を向けていましたが、上下左右、どの位置でも正確に捉えていました。
(人間は耳が頭の両側にあるので横からの音はわかりますが、上や前後の方向だと音源があまり判別できないようでした。)
フクロウは、この耳のおかげで、カマキリが歩く音(やその位置)もキャッチできるそうです。

[脚]
フクロウのくちばしは鷹のように湾曲していて、まさに猛禽類の口です。
肉を引きちぎるのには適しているものの、獲物を殺すのには向いていません。
その代わりになるのが鋭い爪と強い力のある脚です。
漫画家・白土三平さんの飼い犬がくわえて来たというフクロウの脚と、フクロウに蹴られて爪のあとが背中に生々しく残る写真(漫画家・岩本久則氏)がありますのでご覧ください。
http://www24.big.or.jp/~kyusoku/owlasi.htm
ネズミなど齧歯類をえさとするフクロウは、かみつかれると痛いので、上の写真でもわかるとおり、趾(あしゆび)に毛が生えています。
フクロウの中で最大サイズのシマフクロウ(畳が飛んでいるように見える、そうです)は、北海道の東部に生息しています(寒そう…)が、魚が主食のため毛が生えていないということです。
足の裏には、滑り止めのいぼいぼがあるそうです。

なお首は頚骨が12〜14本もあるため(人間を含む主な哺乳類は7本)、首を自在に回すことができます。
宮崎学さんのお話では270度回せるということでした。反対からも回せば、軽く360度見渡すことが出来るということになりますね。
また、風切羽の周囲に細かい綿毛が生えていて、羽の上で空気が渦を巻かないようになっています。そのため羽音をほとんどたてずに飛び、、すばしっこいネズミも捕獲できるというわけです。
この天然の消音装置は、新幹線のぞみ号のパンタグラフに応用されているそうです。
posted by dashi at 23:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
連想はやはり「知恵ある者」 フクロウはヨーロッパでは「知恵」との連想が強いのではないでしょうか? ローマ神話では知恵の女神ミネルヴァといつも一緒です。エジプトでもこの鳥は知恵を連想させるものと記憶しています。御記事でフクロウの肉体的特徴を明らかにしていただき、この鳥がなぜ知恵と関係ありとされているのかがよくわかった気がします。
Posted by 湖の騎士 at 2007年12月10日 16:24
コメントをありがとうございました。
申し訳ありません、その部分をそっくり書くのを忘れていました。古代エジプトのヒエログリフではmはフクロウを表しているそうで。
「森の賢者」という知的なイメージがあるから、企業のマスコットにされていることも多いですね。
夜行性だから昼間はぼーっとしてるみたいですが、獰猛な鳥で飼うのは難しいらしいですね。ハリーポッターの影響でペットとして人気があったそうですが、みんなどうしたんでしょう。
Posted by dashi at 2007年12月10日 23:00
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