2007年11月28日

怖ろしい話

きょう、「もう一つのサカキバラ」という話を聞きました。
神奈川県の全寮制の私立高校で、一年生の生徒が同級生をめった刺しにして殺し、生き返って仕返しされるのが怖くて、首を切り落としたという事件。昭和44年と言いますから、もうずいぶん昔の事件です。
当時の私はまだ九州に住んでいたこともあって、この事件にはあまり(かすかにあります)記憶がありません。センセーショナルな事件ではあるけど、昔は少年事件は今よりずっと慎重な報道でしたから、(地元以外では)扱いも大きくなかったのかもしれませんね。
ここ数年にテレビ朝日で取上げたり、本が書かれたりドラマ化されたりして、話題になったこともあるようです。

この話を私に聞かせてくれた人は社会的地位のある人で、場所は小さな講習会の会場でした。
この人は、加害者の少年が精神鑑定を受けて医療施設に入り、わずか2年で退院したことがとても不満な様子でした。少年はそれ以上何の罪も問われることなく、遺族に謝罪することもなく、善良な市民として社会に戻ったようです。
被害者の母親はショックで廃人同様になり、賠償金も加害者の父親の死により中断したまま、支払われていないそうです。
加害者の少年は父親の愛人の養子になって姓を変え、大学を二つと大学院を出て弁護士となり、今は成功して大きな事務所を構えているそうです。
「怖ろしくないですか? 弁護士ですよ。テレビドラマでもやってたし、詳しく解説したこれこれという本が出ていますから、興味のある人は読んでみてください」
と話は締めくくられました。

本当に怖ろしいのはこれからです。
図書館に寄って件の本を探しましたが書架になかったので、帰ってからネットで検索してみました。
そしてとても驚きました。例の本は、事件の精神鑑定書を公開しているサイトで
「…という本は、上の精神鑑定書を著者の意図に合わせてかなり悪質なやり方で編集して掲載していると思われます。」
と指摘してあるのです。
http://kangaeru.s59.xrea.com/kubikirikantei.htm
同じような内容の文章を、読後の感想を書いたものなど複数のサイトで見ました。

私もこの供述調書を読んでみて、きょう聞いた話とはずいぶんニュアンスが違うなあと思いました。
きょうの話し手は教養も社会常識も豊かな人なのに、件の本とテレビの報道(ネタ元は同じなのでは…)にだいぶ洗脳されたものと思われます。
書き手の恣意的な情報操作によって、偏った世論が形成される。
これほど怖ろしいことがあるでしょうか。まるで魔女狩りです。
私たちは、差し出された情報を鵜呑みにすることなく、反対の立場から、ナナメから上から、と視点を変えてものを見るクセをつけないと、とんでもないところに誘い込まれてしまうのではないか、と、そっちの怖ろしさに戦慄を覚えます。

怖ろしいついでにもう一つ。
少年事件といってあなどれないほど、少年による残忍な何の脈絡もなく発生する異常な事件が、ずっと昔から、日本のどこかで毎年必ず起こっているようです。
http://kangaeru.s59.xrea.com/ijou.htm
少年事件としてひとくくりに考えるのが妥当なこととは、私にはとても思えません。
posted by dashi at 23:12| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日曜日(25日)のフジテレビ「プレミアA」で、櫻井よしこさんが「犯罪者の罪が軽すぎる」ことに言及しておられました。日本の刑法は、犯人に甘すぎます。そして裁判官たちの「常識のなさ」が、判決の甘さに輪をかけています。これでは被害者も被害者の家族もたまったものではありません。加害者の「人権」ばかりが重んじられて被害者は泣き寝入りです。この御記事に出てくる昔の殺人少年が弁護士になっているなんて、いくらなんでもひどすぎます。昭和44年というと私はNYに住んでいて、この事件のことは詳しく知りませんでした。貴重な情報に感謝します。
Posted by 湖の騎士 at 2007年11月29日 21:07
コメントをどうもありがとうございました。
人の首をちょん切った人間が弁護士とはねえ。
いつばれるかと毎日びくびくして生きているのかもしれませんが…。その程度の社会的制裁では被害者も浮かばれないと思います。
例のサカキバラだって、もう社会に戻ってるんですしね。特に少年に対しては甘すぎると思いますね。
矯正されずに再犯する例も多いです。古くは「疑惑の銃弾」の三浦和義、池田小の宅間某。(母親を殺したときの)殺人の興奮が忘れられない、と言って姉妹を惨殺した男もいましたっけ。
Posted by dashi at 2007年11月29日 23:12
こんばんは!
ご無沙汰してました。
この事件は小生も知っています。

本当かどうか知りませんが、この弁護士は全く反省していないそうです。ビクビクどころか、開き直っているようにさえ思えます。

後年の発言が世間で物議を醸したこともあったと記憶しています。こんな人間が司法の世界にいること自体、間違っていると思います。
Posted by 湘南のJOHN LENNON at 2007年12月11日 00:05
お久しぶりです、どうもコメントありがとうございました。
そうなんですか、びっくりですね…。いったいどんな仕事してるんでしょうね。まさか刑事事件はやってない?
少年のときに犯した犯罪って、ほんとに軽く扱われすぎのような気がしますねえ。少年の更正ばかりが尊重されて、被害者はたまったもんじゃないと思います。
Posted by dashi at 2007年12月11日 23:28
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/69900552
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。