少年事件の供述調書を漏洩した医師が逮捕された事件で、朝日新聞社などは強く抗議しています。
(逮捕までする必要はない、これは「見せしめ」だ、という主張には一理あります)
この抗議する姿勢に対して、長年朝日を購読している私はなんとも不愉快な思いをしているのですが、それが何故か考えました。
週刊朝日11月2日号を買って<「取材源」逮捕で始まる「言論封殺」>なる記事も読んでみました。
江川紹子さんのコメントがありました。これは彼女のブログから編集に都合のいい部分だけを切り貼りしたに違いない、と私は思いましたが、違うでしょうか。
江川さんのブログ:http://www.egawashoko.com/c006/000239.html
週刊朝日の記事もまず結論ありき、牽強付会の印象です。
きょう、ミートホープの社長以下幹部が逮捕されたというニュースがありました。社長の指示に従って不正を繰り返していたようです。
事情を知る人にとっては、生活のために良心を押さえつけ、きっと「いつばれるか」と気の重くなる仕事だったでしょう。我慢できなくて内部告発したり辞めた社員も何人もいたはずです。
告発した先が不適当だったから(ミートホープにかぎたばこをもらっていた?)放置され、摘発が遅れた分不正も大胆悪質になりました。
赤福や、比内地鶏のごまかしも明らかになりましたね。広島の食肉加工会社でも何かやってたようです。
雪印、不二家の虚偽記載etc.も記憶に残ります。
例の「供述調書丸写し」のジャーナリストも、やったことはこれらの食品会社と同じではないかと思うのです。
厳しいノルマを自分に課すこともなく、消費者(読者)をカモにしか見ず、社員(協力者)の迷惑や正義感(苦悩)は無視。自分の儲けや社会的地位を高める(会社を大きくする、有名になる)ことの方に重きを置く。
そのために平気で「ずる」をするということです。
…「言論の自由」を言い訳にする分、卑怯だと思います。
鎌倉に本店のある鳩サブレの会社(豊島屋)は、品質管理が出来なくなるからと、近場(神奈川県内と都内)以外には出店しない方針と聞きました。近場でもその人気のわりに扱う店は少ないと思います。
http://www.hato.co.jp/shop/index.html
出来立てを売りにしている商品ではあリませんよ、主力商品の鳩サブレは生菓子ではないです。
身の丈に合わない拡大展開は自粛して消費者の信用に応える。これが本来の姿ではないでしょうか。
赤福のようにすごい数の売り場で、その日の出来立てを売りにする生菓子なら、大量の売れ残りを出さないためには毎日「夕方には売り切れて買えない」のが当然だと思います。
そうでなければ、その日の売れ具合に応じて日に何度も生産量を調整する(コンビニの本部みたいな)、かなり高度のチェック体制が必要なはずです。
セブンイレブンは自社工場ではなく、おにぎりや弁当は食品会社に発注しています。
その日に何個注文が入るかわからないから、工場ではこれくらいだろうと見越して多めにご飯を炊く。注文が入ってから米を洗っていては間に合わないからです。
見込みがはずれて大量に余ったときには大損害、すべて廃棄処分です。工場内で余った食材を肥料にする施設が作られているそうです。
最低賃金に限りなく近い時給でそこでパートしていた人は、炊きたてのおいしいご飯で作ったおにぎりを捨てに行く仕事がイヤでたまらなかったと話していました。
ここで「もったいないから」と捨てるのをやめて、炊きたてでない米で商品を作ったら。ばれたら超大口顧客のセブンイレブンから切られ、ライバル社に仕事を奪われる。たちまち営業危機です。
大損を覚悟で廃棄せざるを得ない。
「ずる」をしない(できない)会社はみんな、それくらい厳しい経営をしているのだと思います。
供述調書で知った内容が驚愕の事実で、これはぜひ世間に知ってもらいたいと思ったとする。
それなら、それをそのまま引き写すのではなく、それをもとに取材をしたらどうなんでしょう。
相手は少年だし、個人情報保護の壁があって、取材は困難を極めると思います。でも、本を一冊書いて世に出そうと思うなら、それくらいするのが当然じゃないでしょうか。
ジャーナリストの仕事って、提供されたネタをそのまま「引き写す」ほど甘ったれたものなんでしょうか。提供した医師とどんな取引があった(ないとは思えません)か知らないけど、医師が漏洩の罪に問われるはずがないと、まさか考えたわけではないでしょう。(逮捕は想定外かもしれないけど)
言い得て妙、のどどいつがあったのでご紹介します(作者は裁判官)。
「ひとの作文 丸写しする ことに決めた」じゃ 「著者」じゃない
http://blog.goo.ne.jp/gootest32
少年は広汎性発達障害だった。そのために起こった事件であり、その事情を知ってほしかった、と医師が供述しているという小さな記事が朝日に載りました。(週刊朝日の件の記事にもあります)
医師は(当事者が身内にいるなど)広汎性発達障害に特別な思い入れがある人なのかもしれません。もしかしたら、悲壮な使命感から(あるいは逮捕も覚悟の上で)漏洩したのかもしれません。
でも、もしそうなのだとしたらなおさら、安易に提供者を特定できるようなやり方で裏切り、少年を含む遺族のプライバシーに土足で踏み込んで、さんざん踏み荒らして山ほど後顧の憂いを残した本を出した草薙厚子なる女性と講談社は、これ以上ないくらいの「ずる」をしていると思います。
漏洩はたしかに立派な犯罪。でも、それを写真にとって持ち出し、そのまま本にして出版しさえしなければ医師の逮捕はなかったし、遺族が苦しむこともなかった。
今までだって、こっそり漏らされた情報から世紀のスクープが生まれ、大統領の失脚につながったようなことはありました。でも、記者は情報をそのまま、どこから漏れたかすぐわかるような形で使ったのではない。命がけの取材とセットのはずです。漏洩する人の覚悟を思えば、それくらい、当然ではないですか。
言論の自由だの、知る権利だのと、勝手な理由付けで正義漢ぶるのはやめてほしい。朝日新聞社は、著者をかばわないでほしいと思います。
2007年10月24日
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タイトルは超短いのに,たいへん重い内容で感銘を受けました。
たしかに,取材源を逮捕するという警察は「行き過ぎ」のような気もしますが,取材記者は医師の知らない間に調書を撮影したというし,取材源がわかるような形でしか報道できないのも情けない。それと,二言目には「言論の自由」「知る権利」を持ち出すメディアはどうも好きになれません。
そもそも,読者は,普通に調べて知り得る以上の「スクープ」を,そんなには期待していないと思いますけどね。
今回の話題の中に、コンビニのおにぎり外注の話題がありましたね。
ところで、日本の食糧自給率はご存知の通りかなり低いのですが、
輸入品ばかりの食料品全体のうち約4割程をゴミとして捨てているそうです。
普段の生活ではそんなに捨てているつもりは無くても、構造的に捨てる食品が出てしまうようなやりかた自体に問題があるのだと思います。
食料品そのものよりも利益(お金)がまさっているのでしょうね。
もし日本に食料品を輸出している国に、
「そんなにもったいないことするなら、輸出しないよ」なんて言われたら、自給率の低い日本は程無く食糧不足ですよ…
「もったいない」は日本の特許的な発想だったように思うのですが…
相変わらず外国からつつかれないと変われない国なのでしょうか?
自国の状態を写す鏡がないと現状把握できなのかもしれません。(今は外国が鏡代わりです)
「国」だけでなく、「人」も同様だと思います。
(相手は自分を写す鏡だ!と、どこかで聞いたように思いますし、実際そうだとも思います)
dashi さんがおっしゃるように、
「売り切れる分だけ作る」のが正しいと思います。
するとそれはビッグビジネスではなく、小さなビジネスってことですよね。
経済規模は小さくなるけど、無駄はなくなる…(←これはプライスレスではないでしょうか?)
昔から日本人が持っていた「善良さ」は、一部で崩壊しつつあるのかもしれませんね。
その一部のおかげで、全体の評判が悪くなってしまうのは、
普通のバイクライダーにとっての暴走族や、
普通のタクシードライバーにとっての応対の悪いタクシードライバーのようなものなのかもしれませんね。
長々と失礼しました。
オバちゃん仲間でこんな話してると多分ひかれてしまうだろうし、言いたいことをこうやって吐露できる場があるのはホントにありがたいです。コメントまでいただけますしね^^。
工場でおにぎりを捨てるのは、根本的に間違っていると思います。肥料にするからと許されることではない。食べ物をこんなに粗末にしていると、そのうち天罰があたると思いますね…。
捨てるコストを負担するのは工場。(返品はしないから)売れ残りの分を負担するのはフランチャイズの店主。どっちにしても、コンビニ本部のふところは痛まないようになってる。
セブンイレブン(だけじゃなでしょう)が高い業績をあげているのは、こんなからくりがあるからなんですよね。いいとこどりしてますよねえ。
…結局、資本家というか大元に富が集中する仕組みなんですね。やれやれ。