2007年10月03日

才能の発掘

小さな絵画展に行ってきました。
息子の通う養護学校の、美術の先生が主宰している小さな絵画教室の発表会です。
出展しているのは、息子の学校の卒業生のほか、商業高校やよその養護学校の卒業生など7人、「アトリエ七色」という会の名前どおりでした。それに主宰の先生と、写真を担当する協力者もいらっしゃるようで、各人の写真も数点ずつつけてありました。
前は在校生も混じっていましたが今回は全員作業所などで働いている社会人ばかりでした。はっきり聞いてはいませんが、たぶんみなさん知的障害を持つ人だと思います。

7人の中には兄弟も一組います。絵を描くこの二人は知る人ぞ知る存在で、ほかの自閉症児者の作品展でも(たぶん何度か)絵を見かけました。もう10年も前のことになりますから、二人は生涯の趣味としてずっと絵を描き続けるのでしょうね。
私は双生児かと思っていましたら兄弟とのことで、たまたまいらしていたお母様とお目にかかりました。私より少し上の世代と思われる品のある女性でした。
弟にも障害があるとわかったときのお母さんの苦悩を思い、二人を穏やかな絵を描く青年に育てあげたお母さんの歩みを思ったりしましたが、親しかったら聞いてみたいところです。

息子の学校とはもう14年ものお付き合いですから、卒業生の一人は知っている子で、もう一人はお母さんも含めよく知っている子でした。
そのよく知っている子・自閉症のYくんは、卒業する頃になって絵に目覚めたようです。
卒業する一年前ぐらいまではあまり絵らしい絵は描かなかったらしいですが、指導がぴったり合ったのでしょうか、描き始めたらめきめき上達したようでした。このことには、お母さんもびっくりされているそうです。
絵はまだ発展途上という感じですが、自閉症らしい集中力でそのうち大化けするかもしれません。次回の展示会を楽しみに待ちたいと思います。

養護学校に通う子も障害の程度はさまざまで、中には普通の学校でもいけそうな子もいますから、そういう子は絵も器用に描きます。でも、口もきけない重い知的障害のある子でも、絵だけは抜群にうまかったりする例も珍しくありません。
親としては山下清の再来を望むのも無理もないところですが、そこまで欲張らなくても、落ち着いて集中できる趣味があるのは幸せなことだと思います。
趣味を自分で選び出すことが難しい知的障害児の場合は、適切な指導者とひき合わせてあげられるかどうかですね。家族がその役割を果たせたら一番いいのでしょうけど。

日産のゴーン社長が、朝日Beのインタビューで答えていました。「人間にとって最大のムダは持って生まれた能力をムダにすることです」と。
耳が痛いですね、自分自身についてもですが、今まで長いこと息子の潜在能力(たくさんあるような気はするのです)を引き出してやれなかったなあ、時間をずいぶん無駄にしたかも…と悔いが残っています。
posted by dashi at 22:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 自閉症関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「アトリエ七色」は二人のダウン症者と五人の自閉症者です。通所授産、更生入所者、西友食品売り場、企業子会社、作業所等で働いています。
 水遊びの好きな子供でした。絵の具を混ぜ色水遊びから 色にこだわりが始まり 紙に色を付ける 本人の興味と 自閉児独特のこだわり、それに本人の努力対応して下さった指導者との出会いが あいまっての今日だったと思います。色への関心 30年にもなりましょうか。
 
Posted by 河野 靖子 at 2007年11月08日 20:11
コメントいただき恐縮です、どうもありがとうございました。
そういう、一生を通じて楽しめる趣味をお持ちで羨ましいです。
これからもどうぞ末永くお励みください。次回をお待ちしています。
Posted by dashi at 2007年11月08日 20:49
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