2007年08月19日

任務終了

長い長い夏休みがようやく終わり、息子は明日からまた学校です。
こんな長期の休みは最後だからと、後悔を残さないように頑張ったつもりですが、いやあ猛暑もあってエライ日々でした。
地域活動センターの余暇活動や、ガイドヘルパーさんに連れ出してもらったのが計8回。登校日が1日。
それ以外の日はずっと私一人で連れ出しました。娘たちは自分のことで精一杯だし、離婚のツケとして父親は不在。
一緒に入れる更衣室があるプールにも4回ばかり連れて行きましたが、男親なら身体も大きく力もあるから、強引にでも泳ぎを教えてやれるかもしれないなあと思ったりしました。

きょうは暑さがぶり返して、私も体調がイマイチで外を歩きたくなかったので、ベイブリッジを往復するドライブに行きました。
ベイブリッジも首都高速に乗ると見晴らしも抜群ですが、あまり急いで行く必要もないので、高速道路の下を渡る一般道で行きました。今日のように晴れた日は港まわりもはっきり見えて気持ちのいい道です。
高速だとさーっと通り抜ける感じですが、一般道は橋に乗るのも降りるのもぐるーーっと大きく迂回します。インターチェンジが複雑にからんでいるのか、SF映画の未来社会みたいな、ちょっと日常ではない光景が視界に入って面白いです。
両側とも埠頭のそばだからか、同じ型のトラックがずらっと並んでいる場所があったりします。普段はあまり意識しない輸出の現場という感じですね。
息子もなんとなく雰囲気が好きなようで、ベイブリッジを渡るときは楽しそうにしています。

何もこんな遠くまで来なくても、もっと近くに3箇所もあるのに…と苦笑しながら、イトーヨーカドーに寄って休憩がてら醤油ラーメンを食べることにしました。
ラーメンが出来るのを待っていると、近くの席で子どもが泣き出しました。
普通の泣き声でなく、ギャーと全力で泣きわめく声。若い両親がなだめていますが、泣き声は激しくなるばかり。
お母さんの陰になって子どもの姿は見えませんが、泣きながら何か言っているので、話せるぐらいの年齢と思えました。
困ったな、と息子を見ると案の定両手で耳をふさいでいます。
息子ももうすぐ成人する年齢でわきまえもだいぶついたので、修羅場にはならないだろうけど…と考えました。

自閉症の子に限ったことではありませんが、子どもの泣き声が苦手、という障害児は多いです。
苦手だから泣くのをやめてほしい、というのを表現するのもいろいろで、泣いてる子のそばに行って「ごめんなさい、ごめんなさい」と連呼する子もいるそうです。
それならまだいいのですが、ウチの息子の場合(小学部のころ)、ひどいときは泣いている子を叩きに行ったりしていました。椅子から突き落としたこともありました。本を投げつけて角が当たり、痣になったこともあったそうです。
スクールバスに同乗して学校に行ったお母さんが、バスの中で泣いてる子がいたらウチの子が靴を手に持って駆け寄ろうとしてた、と教えてくれたこともありました。投げつけようとしたのでしょう。
(こんなこともあったので、息子がスクールバスに乗るのを嫌がった時期には無理をせず、学校まで送迎したりしました)

閑話休題。
泣いている子の横の席には中年のオジサンが一人で何か食べていましたが、時々ちらっと子供の方に視線を投げます。あの人もさぞかしうるさいだろうと思いました。
意を決してその席に行き、「ボク、泣くのをやめてくれない?」と(なるべく優しく)声をかけてみました。
そしてすぐ、横のお母さんに「ごめんなさいね、息子が障害児で、泣き声が苦手なものですから」と言い訳しました。
思ったより小さな子で私の言うのを理解できない年齢のようでした。泣くのもやめませんでしたが、お父さんがその子をすぐ抱き上げてくれました。
ひとつ遠い席が空いたので私たちはそっちに移りました。少しでもうるさくない席をと思ってのことですが、まもなく静かになりました。

ラーメンを食べていると、通り抜けながら「さっきはすみませんでした」と声をかけてくる男性がいます。それがさっきの子のお父さんだと気づいてびっくりしました。
「あっ、いえ、こちらこそ、もっと大きい子かと思ったので」と焦って返事したら、照れくさそうに軽く会釈して去っていきました。
息子と一緒でなかったら、私もうるさいなあと思いながらも我慢していたと思います。その子の両親は(ホントはとてもいい人たちなのに)、周囲の人が迷惑しているのに気がつかないかもしれません。
泣いて我を通すのはいけない、他の人がいるところでは静かにする、というルールは小さいときから教え込んでほしいし、まあ、必要に迫られた(と判断した)からやったことだけど、結果的にはよかったかなと思ったことでした。

自閉症の息子はマイペースで行動したがるし、歩くのもかなり早い。好き嫌いもかなり意思表示できるようになった。
だから長い休みも、仲間と誘い合って行動することはしませんでした。それがよかったのかどうかはわかりませんが、私としては、孤独な(?)長い付き添い任務が無事終了してホッとしているところです。
posted by dashi at 23:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 自閉症関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
dashi様 こんにちは

いつも”大人”の意見を楽しみにしております。

泣いていた子のお父さんの一言、ホッとしますね。当然、若いお父さんなんでしょうけど、なかなか言えることではないと思います。

今の世の中、下手に言えば、刺し殺されたりする事件も起きているようですが、このような当たり前のコミュニケーションが普通に取れる世の中に戻って欲しい、そう思います。
Posted by プチ at 2007年08月20日 09:52
ほんとに、なんていいお父さんなんだろう! と感動しましたよ。若いといっても30歳前後ってとこだったでしょうか。
最近は小学生でも捨てゼリフ吐いたリして可愛くないのが多いですが、屁理屈ばかり達者になって、へんなところで外国の真似しないでほしいと思います。

コメントありがとうございました。
Posted by dashi at 2007年08月20日 18:44
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