2007年04月30日

気の持ち方

ポジティブ・シンキングの例としてよく引き合いに出される、発明王エジソンに関する逸話があります。
エジソンが電球を発明したのは、実験で5,000回失敗したあとでした。そのことを知った新聞記者が、5,000回も失敗してよくあきらめなかったですねと聞いたら、エジソンはこう答えました。
"I found five thousand ways how NOT to make a lightbulb."
電球を作れない方法を5,000通り見つけた。失敗じゃないよというわけです。
1万回失敗してもダメだったらどうしてたか、と聞かれたら、平然と「まだ続けているだろうね」と答えた、という話もあります。
エジソンという人はとても負けず嫌いだったとも聞きますから、人に弱みを見せない、虚勢でもなんでも張る、というタイプだったのかもしれませんが、ものは考えよう、気の持ち方次第だと思わせられるエピソードです。

きょう、そういうことを考える機会がありました。
不手際があって姉のライブ(きょうでした)に行けなくなり、息子は泊まりで預けたので貴重な自由時間を入手。一人で東京をぶらつくことにしました。
乗ったことのない線で新宿に出て、これも乗ったことのない路線のバスに乗って鬼子母神へ、そこから都電荒川線で一度行ってみたいと思っていた「おばあちゃんの原宿」とげ抜き地蔵界隈へ。息子を(迎えの時間も)気にせずに思いつきで行動できる、見たいところがあったら寄り、買いたいものがあったら並んででも買う(鯛焼き一個ですが。。。)自由があるというのは、私にとってすごく贅沢な時間です。
私が一人入った食堂で、店が混んできて小さいテーブルで相席になりました。向かいに座ったのは60代ぐらいの女性の二人連れです。
聞けば、二人は川崎と大森に分かれて住んでいる友だちだけど、たまにはどこかに行こうかと誘い合って出てきたそうです。
お天気でよかったですねと一人とは笑い合えたのですが、もう一人はやけにご機嫌ななめです。何かあったのかと思いましたが、どうも、いつもそんな感じの人のようでした。

高校生ぐらいの店員(アルバイト?)3人がバタバタ働いているのですが、客が多すぎてキャパを越えている。
件のおばさんは、店員が気が利かない、あいそが悪いとぶつぶつ言います。
「時給いくらで働いてるんだか、ちゃんと仕事してるだけマシですよ。ウチの娘もあんなものかもしれない」
とフォローしようとしても手ごたえがありません。
時間が2時を過ぎていたから、空腹というのもあったようです。
「ああ、おなかすいた」と言うのに、「おなかがすいたらイライラしますよね」と笑いかけてもにこりともしません。
べつに話しかけられるのが嫌な様子ではなく、世間話も少しはしました。でもその内容というのが、
「ああいう子(店員)のことを横着もんと言うのよ。あなたのとこ(田舎)ではどう言う?」
「怠け者という意味なら、ひゆみなし、と言いますかね〜」
というやりとりだから、ポジティブな会話とは言えませんね。

二人は、誘い合って出てくるぐらいだから親しいのでしょう。
もう一人はおっとりした人のよさそうな方で、どうしてこの二人が仲がいいのか不思議になりました。いつもこんな調子なら一緒にいても楽しくないんじゃないかと思いましたが、まあそれは余計なお世話でしょう。
でも、出てきた料理にまでケチをつけるのにはいささか閉口しました。
同じものを注文してないからいいようなものですが、私の目の前で「これはしょっぱい」だの、「(レバニラ炒めの)レバーが炒めすぎて固い」とか、文句ばっかり言ってます。友だちに味見させて「ほら、しょっぱいでしょ。醤油が多いのよ、色が濃すぎるもの」と念を入れています。文句があるなら店の人に言うしかないでしょうに。
正直なところ、こっちの食事までまずくなる。迷惑です。
友だちの方は慣れているからか気にならない様子でしたが、私は内心うんざりしました。
まずいものを美味しいと言う必要はありませんが、せっかくの食事はなるべく楽しく摂りたいですよね。

「この味噌汁は美味しいわね」
食べ終わる頃になって、やっとその人が言いました。思わず「初めてほめましたね」と笑いかけると、おばさんは「え、そう?」ときょとんとしています。
悪気は全くなく、たぶんいつもどおりにふるまっていたのだと思います。普段からあまり笑わない、ネガティブな明るくない人なのでしょう。
私も若い頃はそうだったような気もするのでえらそうなことは言えませんが、気の持ちようをちょっと変えてみたらいいのに、と思います。
エジソンだったら例のニラレバ炒めも、
「醤油を多めに入れたらどんな味になるか試したのだな」
「高い醤油だけどサービスしてくれたのかもしれない」
と考えるかも(ちょっと苦しい)?。

宇野千代さんだったか、毎日寝る前に「きょうあった、良かったことを10個数える」というのを聞いたことがあります。
なんということもない平凡な日でも、お天気が良くて気持ちよかったとか、手紙をもらったとか、好きな音楽が流れていたとか、一日に10個ぐらいは考えられそうです。
きょうもいい一日だった、シアワセシアワセ、と気持ちよく眠りにつくというのは素晴らしい習慣だと思います。長寿の秘訣かもしれません。
これはたぶん、脳化学の面からも立派に説明がつくんじゃないでしょうか。
「良かった探し」というのは少女パレアナ(ポリアンナ)の専売特許でしたっけ。笑われて変人扱いされるけど、しまいには周囲の人みんなをハッピーにするんじゃなかったかな。
パレアナだったら「少ししょっぱいけど、おいしいごはんが食べられて良かった」「少ししょっぱいけど、お友だちと会えて一緒に食事できて良かった」ってとこかしら。


posted by dashi at 00:46| Comment(0) | TrackBack(1) | 身辺雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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