2006年03月10日

GHの虐待に思う事

残念だけど起こりうるだろうなと思ったニュースでした。
札幌市の認知症の高齢者向けGH(グループホーム)、「グループホームいちわ」で虐待が常態化しているという疑い。北海道ではまだ例がないという、介護保険法下の居宅サービス事業者の指定取り消し処分となるかもしれません。
メディアによってかなりトーンが違いますが、
★ 食事の量が極端に少ない
★ 入居者の行動を制限する
★ 入浴回数が(極端に)少ない
★ 廊下で壁に向かって座らせる
★ 禁止されている身体拘束をしている
★ 襟首をつかんで引きずり回した
……などの実態があり、証言する人がいるようです。

他にも領収書を偽造し入居者の家族に立替金として請求するなど、悪質なことが横行していたようです。
道は昨年から3回実地指導して改善を要求。いちわ側は虚偽の報告をして改善を装うなどしたため、道は今年1月に特別検査、2月には行政処分を前提に行う「監査」に踏み切っていたとのことです。
その上で道は介護保険法に基づく居宅サービス事業者の指定取り消し処分を検討、15日に聴聞を開いてホーム側の言い分を聞くことになりました。

「グループホームいちわ」の畑中妙子所長は聴聞に先立ち、10日に道庁で弁護士とともに記者会見し、
「すべて誤解、虐待があると言われるのは不思議」
と全面否定したようです。
でも、ここのやり方はひどいと義憤にかられた職員が書き残したのか、介護日誌の記載という物証もあるようですから、根も葉もないでっち上げとの主張は通らないでしょう。

このGHは2002年10月に開設され、札幌市手稲区の有限会社「いちわ薬品」が運営、定員18人です。
介護保険で取りっぱぐれがない、うまくすれば大もうけ……と、ノウハウの積み上げのない、民間から参入した業者(福祉はシロウト)のホームのようです。民営化の悪い例でしょうか。

少人数で家庭に近い環境で手厚い介護、というのがGHのウリでしょうから、そこで虐待が横行するとなるとこれは深刻。
職員数は絶対的に少ないし、相手はもの言わない(と思われる)認知症のお年寄りですから、密室犯罪のようなもので表沙汰になるのは難しいと思います。看過出来ないよほどひどい虐待が常態化していた(職員も耐えられないでいた)のでしょうね。
人生の終末をそんな地獄で迎えようとしていたお年寄りはホントに気の毒ですし、うすうす実態を知りながらも(他に選択肢がなく)預けていた親族も辛い思いをしていたことでしょう。

介護保険では、介護度によって細かく決められた利用料が支払われます。介護度の高い重い認知症の高齢者を集めれば、それだけ多額の保険料が下りる仕組みです。
預かってもらう家族はとても助かりますが、良心的な業者でないと手抜きしまくり、虐待も横行するのは当然ということになるでしょう。
徘徊したり弄便しないように、そういう服を着せたりベッドに縛り付ける行為(拘束)とか、おむつ交換の回数を減らすとか、食事の量や質を落とすとか。
入所施設に預ける家族が何より恐れていることが、このGHでは大っぴらに続けられていたようですね。

行政側が、利用者の受け入れ先(集団で移るとすれば。介護保険を使えないとなると高額で利用出来なくなる人が大半だと思います)を考慮して及び腰にならず、取り締まってくれるのは歓迎したいと思います。
指導が入った段階で改善しなかったGHの体質は残念ですが、指導してるからと逃げて放置しなかった、道の姿勢は評価出来るでしょう。貴重な介護保険料をそんな業者のために使わないでほしいものです。
苛酷な仕事と待遇にめげず、崇高な精神で頑張っているGH(少なくはありません)にとっては迷惑なニュースでしょうが、これが他の「良心的とは言えない」GH暴走の歯止めになってくれればと思います。
posted by dashi at 20:45| Comment(7) | TrackBack(1) | 介護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
僕もグループホームで働く者ですが、きちんとした信念がないと、間違った方向へ行く可能性を強く秘めている、と心から思います。手厚い介護と言って、利用者を受身にして、病院の延長のようなケアをしているところもあるようです。そういうところは特に問題にはならないのでしょうが、やはり、本来の介護の目指すところからすれば、改善されるべきなんだろうなあ、と感じています。
Posted by sakakkie at 2006年03月18日 15:56
コメントありがとうございます。
当事者からの発言、とても勉強になります。
ヘルパー講習でも、残っている力(残余能力と言いましたっけ?)を出来るだけ伸ばすように、手を貸しすぎないように、と習いましたが、実際には難しいですね。構わないでほっておかれるのが結果的に自立能力を損なわないのかもしれないし。
それにしても、ノウハウも何もないシロウト(金儲けと割り切る)の法人に福祉を任せるのは、賭けだと思います。せめて指導や監視はある程度しっかりしてもらわないと、ですね。
Posted by dashi at 2006年03月18日 21:48
就職さがしていて求人票見ていたら、ここの求人が7名もありました。全員クビでか??
Posted by at 2007年03月27日 12:58
7名もですか? 介護福祉士(いたかどうか知りませんが)やヘルパーは売り手市場だから、自分から辞めたんじゃないでしょうかね。気持ちよく働ける職場じゃないとやってられないと思います。
交代勤務だから何人も雇うのか、あるいは同じ法人でいくつもGHを運営しているのかもしれませんね。業務停止にならなかったのか、停止期間が過ぎて再開したのか、地元じゃないので情報も入りませんが。。。
助かっている家族は多いでしょうが、哀れな老後で心が痛みます。
コメントありがとうございました。
Posted by dashi at 2007年03月27日 17:38
自分はGHいちわで働いていました。

いちわは2号館を建ててからお思ったように入居者さんやデイサービスに人が集まらず段々と食事を少なくしたり入浴を減らしたりして経費削減をしていました。
Posted by だいちゃん at 2009年11月22日 22:56
ここ ひどいですよ。
賞味期限が4年も前のジャムとか使ってます。食材もヤバイの使ってる。
Posted by 期限切れ at 2016年07月08日 09:18
絶対ここには
親は預けたくないですね。
Posted by 高齢者 at 2017年01月04日 15:53
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認知症のGHの記事から
Excerpt: 今日は、認知症のGHについて2つの記事を読んで感じた事を書いてみます。 まず、こ
Weblog: Groovy
Tracked: 2006-03-12 12:02
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