2008年09月13日

衛生検査

食堂のおばちゃんを始めて間もない頃、「明日は衛生検査だから」と念入りに掃除をさせられた日がありました。
当然時間内には終わらず少し(サービス)残業となりましたが、素人ながら「普通どこもここまでやらないだろう」と思える内容でした。
(検査自体は私たちが帰った後にやったので見てませんが、きれいにしてますね、とお褒めをいただいたそうです)
流しに置いてあるタワシが、ご飯(の釜)用などに色分けされているそうで、みんなそれを知らなかった様子。
「どのタワシにもご飯粒がついてた」と栄養士さんに苦笑されて、ほかの(同業の)職場で長く勤めてきた人が言いました。
「みんな、新しいタワシをちょっと使ってから、検査用に取っておくの。新品だとバレバレだから、何回か使ってからしまっておくのよ。それを検査の日に出しておくの」
ははあ、ナルホド。蛇の道は蛇、ってこういうことかと内心くすっとした私でした。

偽装米騒ぎで、このことを思い出しました。
衛生「検査」を受ける側が、検査の日取りがわかっていて一枚うわてだったら、検査はする意味もなく形骸化してしまうのだ、と。
本当に実態を把握するつもりがあるなら、抜き打ちである日突然検査に行き、裏帳簿を隠すヒマも与えないでするべきなのでは。

毎日食べている米が、カビ毒や残留農薬に汚染されてい(るかもしれないと考え)たら、そりゃあ嫌なものです。
食堂や給食など大量に使うところはコストも当然重要、ほどほどに安い米を選んでいると思います。実際に判明したところもあるし、私の職場のお客さんだって「ここの米は大丈夫なんかな?」と頭をかすめているかもしれません。
なんでもない美味しい米だって、有難味が薄れますよね。米の消費量がまた下降線をたどることになるかもしれません。
問題があるのは輸入米(ミニマム・アクセス:低関税での輸入が決められた数量)だけのようですが、それじゃ国産米なら安心かと言うと、今は肉もウナギもタケノコも平気で国産と偽装する業者がいることだし、油断なりませんね。
焼酎やお菓子etcに加工されたら全くお手上げ。
日本人商人のモラルの低下なのか、甘すぎてなめられている行政側が悪いのか。

最高(?)責任者の農水相は「人体に影響は無いということは自信を持って申し上げられる。だからあまりじたばた騒いでいない」そうで、不始末という意識はなさそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080912-00000206-jij-pol
事故米、「人体に影響ない」=テレビ番組収録で太田農水相
9月12日23時1分配信 時事通信
 太田誠一農水相は12日の日本BS放送の番組収録で、農薬などに汚染された事故米の転売問題について、「(流通した事故米の残留農薬)濃度は(中毒事件が起きた)中国製ギョーザの60万分の1の低濃度。人体に影響は無いということは自信を持って申し上げられる。だからあまりじたばた騒いでいない」と強調した。
 ただ、「わたしが言うと、いいかげんに問題を扱っていると言われそうだから、あまり安全だ、安全だとは言わない」と付け加えた。
 

この人は次の選挙でも当選するのかと本気で聞きたいですね。
さすがにこれはまずいと思ったのか、汚染米売買を禁止し、輸出国に返品する方針に変更するようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080913-00000072-san-bus_all
汚染米売買を禁止 農水省方針 輸出国に返品
9月13日8時1分配信 産経新聞
 農水省は12日、米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)などによる汚染米転売問題の再発防止策として、カビ毒や残留農薬を含んだ汚染米の売買を全面的に禁止する方向で、具体策の検討に入った。対策では、ミニマム・アクセス(最低輸入量)米で汚染米が含まれていることが輸入検疫で判明した場合、輸出国に返品し、国内には流通させない方針。国内米で発生した汚染米の売買も禁止し、具体的な流通制度の改正を検討する。
 太田誠一農水相は、同日の閣議後の記者会見で、輸入された汚染米について「輸入米をお返しすることを検討している。私の任期中に対策をはっきりさせたい」と述べた。
 農水省は、相次ぐ食品偽装を踏まえ、食品全般に対するチェック態勢を大幅強化する方向で検討を始めた。食品偽装を徹底監視するため、全国共通の検査マニュアルを整備する。また、立ち会いなどの日程を業者側に事前に通知するこれまでの方法を見直し、抜き打ち方式に切り替えて調査の実効性を高める。

 一方、二階俊博経済産業相は同日の会見で、汚染米の転売問題で自主回収などの影響を受けた食品メーカーに、「困っていることを調査し、融資などできることは積極的にやっていきたい」との対応を検討していることを明らかにした。
 経産省は、影響を受けた企業が民間金融機関から融資を受ける際の保証枠を拡充することなどを検討していく。


「人体に影響はない(食べてもたいしたことはない)」と自信を持って申し上げたその人が、「私の任期中に対策をはっきりさせたい」ですって。白々しいですねえ、泥縄とはこのことダワ、選挙対策かしら。自主回収で甚大な被害を蒙ったメーカーから突き上げでもあったのかもしれませんね。

そもそも、輸送中や保管中に(雨漏りや海水をかぶって)カビが発生したのは別として、残留農薬つきの米は即刻返品するのが当然ではないですか。国内基準を満たす輸入米だけを流通させるべきだと思います。
返品されたら業者も大損害だから、めったな品物は輸出してこなくなるでしょう。
今はサンプルを抜き取った検査で(それも数が少ないらしい)、「見つかったら運が悪い」というのが実態ではないのか。実はウルグアイ・ラウンドで決まった一定量の米の自由競争(ミニマム・アクセス)開始直後からの悪習で、三笠フーズは氷山の一角ではないのかと思っています。

汚染米を焼却処分するのは費用がかかるから、工業用として買いたいという業者がいたらタダのような値段で販売する。
農薬汚染米なら見た目はわからないし、カビ米だってちょっと細工したらきれいになる(工業用だってきれいにしてから使うでしょうし)のは、販売側にもわかっているはずです。
悪意を持って食用として売ることは、容易なはず。ミートホープの社長じゃないけど「食べられるのにもったいない」、「これで社員のボーナスを工面できる」と自分に言い訳して良心をごまかせば、大もうけできます。
本当に工業用としてしか使ってないか、抜き打ちで検査する必要があったと思います。うすうすわかってたんじゃないのかな。ホントは(そうと知らずに汚染米を仕入れた業者以外)みんなグルなんでは…。

posted by dashi at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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