2008年07月07日

脳内出血の人の行動

新作「ハプニング」について、
「人が何かに感染され、奇妙な行動を起こし、死に至るという一連のアイデアはどこから生まれたのか」
と問われたシャマラン監督が、インタビューでこんな話をしています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080627-00000011-flix-movi
(監督の友人が大学生のときの話。同じ学校の生徒が目の前でバイク事故を起こすのを目撃、すぐに駆けつけて「大丈夫か?」と聞いた。その生徒はすぐに起き上がって「大丈夫だ」と答えて帰ろうとした)
だけど彼は不安になってその生徒を説得して、病院に連れて行こうとしたんだ。彼はバイクを押した生徒とともに病院に向かって歩き出した。そうしたら急にその生徒が「病院に行く前にこのバイクをアパートに置いてきた方がいいかな?」と聞いてきたらしい。彼は「いいや、その前に病院だよ」と答えてまた歩きだしたんだけど、1分後にその生徒がまた「病院に行く前にこのバイクをアパートに置いてきた方がいいかな?」と同じことを聞いてきたんだ。そしてしばらくしてまた……っていう具合にね。実はその生徒は交通事故の影響で脳内出血を起こしていて、その後学校を1年間休学したらしい。彼はその生徒の様子に、何かがおかしくなり始めていると感じ取って、恐ろしくなったと言っていたよ。

いやあ、びっくりしました。これって、まるきし「認知症」の症状ですよね。
先月近くの自治会館に顔を出したとき、80代以上と思える老婦人に話しかけられました。
(そこで花を飾るボランティアをしているという、一見しっかりした元気そうな方です)
何の話だったか忘れましたが、私は真面目に誠意を持って(けっこう長い文節で)お返事しました。
ところが、納得したようにうなずいたその人が、またすぐ、全く同じ話をしてきた。これには愕然とし、ああ、この人は認知症が始まっているなあと思いました。
早めに受診すれば、あるいは認知症の進行を止めることができるかもしれない、そしたらそれほど困難なこともなく今の生活を続けられるんじゃないのかなあ、と思いましたが、私にはどうすることもできませんでした。
病院に行った方がいいですよ、と言うわけにはいきませんよね、初対面の人に。
私の祖母もこんな感じだったなあ、と今さらながらに思い出しました。同じことを何度も言ったり聞いたりするので、みんなに疎まれていました。病気と知っていたらみんなもう少しやさしくできただろうになあ、と気の毒に思います。

そして、これって自閉症にも通じるものがあるな、とも思います。
ウチの息子は言葉がほとんどないので同じようなことは起こらないのですが、知り合いの自閉症者の中には、先生や施設の職員さんに全く同じことを何度も何度も繰り返し質問して、しまいには相手をしてもらえなくなる人もあります。
周囲の人はきっと、「何回言えばわかるの!!今言ったばかりでしょう!」と、言っても無駄(というより、禁句らしい)だとよくわかっていながらも、言わずにおれないこともあると思います。
息子がまだ就学前のとき先輩お母さんたちがいる席で、ウチの子はまだしゃべらないとこぼしたら、
「しゃべらなくていいの! いっそしゃべらない方が可愛がられるよ!」
と大きな声で返されたことがありましたが、こんなことを指すのだなあと思い出します。

脳の同じ部分が、出血や生まれつきの不都合で、うまく機能しないのだろうなと思っています。
いずれ、医学の進歩でこの世から消える病気や障害なのでしょうか。長生きして見届けたいものです。
posted by dashi at 00:03| Comment(4) | TrackBack(0) | 自閉症関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
dashiさん、こんにちは。
脳内出血から認知症・・・私の祖父がなりました。
自宅に祖父が遊びに来た時、階段で転びました。その時は何ともなかったものの、しばらくしてから認知症の症状が出ました。
幸い出血を疑って検査したから良かったものの、年齢的に危うく普通の認知症と間違えるところでした。

脳というのは体の中でも不思議な場所ですね。未だに何がどう機能しているのかはっきり分かってないし、理想的な機能というのはどういう状態なのかも、定義できていない気もします。
私は最近、西洋医学以外に興味がシフトしてきたのですが、西洋医学がどこまで進むのか、ということも面白い話ですね。

Posted by Kashin at 2008年07月07日 02:45
こんにちは。
以前読んだ自閉症がらみの本で、
昔は、「(自閉症は)早期に現れた認知症ではないか」と思われていた時期がある とかかれていました。autismという言葉も、もとは 繰り返しというような意味があるとか。
私は認知症のことはわからないのですが、自閉症で 繰り返し同じことを繰り返し言うのは(うちの息子もそうなので)「不安」が大きな理由じゃないかなと思っています。刻々と変わる周りの状況が不安なのだろうなと思ってます。
あるいは自分の得意なテーマを言ってみることで相手の反応を探ろうとしているフシもあります。

が、2-3ヶ月も(うちのこの場合です)同じ事を繰り返し聞かされるほうは かなり拷問ですねえ。私の耳は 自閉症の子が何度も言うことはスルーするので(口も勝手に お決まりの言葉を自動で返してます)ほんとに聞こえてないんですが。
Posted by mm at 2008年07月07日 13:19
>Kasinさま
こんにちは、コメントありがとうございます。
おじいさま大変でしたね。でもおうちの中で幸いでした。
その「外傷性認知症もどき?」の間って、本人の意識はどうなっているのか、朦朧としてるのかクリアなのか、聞いてみたい気がします。その間の記憶は残るんでしょうか…。
Posted by dashi at 2008年07月07日 21:06
>mmさま
そう言えば、昔のことで忘れてましたが、息子のことを「早期痴呆」と言われてムッとしたことがあったの、思い出しました。昔は認知症とは言わなかったですもんね。
幼児に向かって痴呆とはあんまりな。病院かそんなところでだったと思いますが…。

佐々木正美先生によれば(自閉症者本人から聞いた話)、自閉症者が同じことを何度も聞くのは「聞いた言葉は飛んでいってしまう」からだそうです。だから紙に書いて持たせるなり壁に貼るなり、すればいいらしいです。
(何度も繰り返して質問する場合ですね)
トイレの水を何度も流して困っているお母さんに、「流すのは一回だけ」と書いて貼るようにアドバイスしたらドンピシャだったとか。(この話は以前書いたような気が^^)
コメントありがとうございました。
Posted by dashi at 2008年07月07日 21:21
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/102318375
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。