2008年06月12日

無間地獄

秋葉原のやけっぱち襲撃殺傷事件では、連日いろんな報道が続いています。
微に入り細に入り、犯人がネットに書き込んだ内容をボードに書き出して、熱心に分析したりしています。そんなに詳しく<お伝えする>必要はないのに、掲示板に残っている情報だから扱いやすいのかもしれませんね。
日が経つにつれ犯人の顔写真や動く映像(ビデオ)まで流れて、私も、あら、知り合いのあの子に似てるわ、なんてつぶやいたりしています。殺人鬼には見えません。
本人の夢は「ワイドショー独占」だったとかですが、こんな形で実現してしまいました。負のヒーローといったところでしょうか。
こんなに騒がれて、勘違いしたバカなお子ちゃまが、真似をしないか心配です。

誰かに止めてもらいたかった、そうです。誰かに、真剣に自分の暴走を止めてほしかった。「オレは寂しいんだよ〜」と泣ける相手がいたら起こらなかった事件に思えます。
仏教では、誰とも関係を持てずひとりぼっちであることが、人間にとって一番辛いとされています。
無間(むげん)地獄は地獄の中でも一番過酷なところですが、その苦しみは「我、今帰する所なく、孤独にして同伴なし」と形容されるそうです。
楽しめて生き甲斐を感じられる趣味やボランティア活動に、彼を誘ってくれる人があったら、車の操作など彼の特技(大型免許を持っていたそうですね。腕力もありそうです)を生かせて、自信を持てる道が開けていたかもしれない。
そしたら彼女もできたでしょうに。
また親に甘えて引きこもれる家があったら、彼は「無間地獄」から逃げ出して、巣籠り出来たかもしれない。人生をやり直すきっかけをつかんだかもしれません。

それにしても派遣会社が、「ほかの派遣会社から来ている人と口をきくな」と制限かけるのはおかしい。同じ職場で働いていても友だちになれないでしょう。
条件などの情報交換をされたくないのでしょうが、労働者を感情のないモノとしか見てない。人権無視もはなはだしいです。
人材派遣会社って、ちゃんとした少数の会社を除けば、いいとこどりの人身売買というのが実態なんでしょうか。そうだとすれば、労働基準法の網から出ないように、きちんと監視する義務が国にはあると思います。
企業も、忙しいときだけ不定期に採用する(いつでも首にする)ような身勝手なやり方を、今後もずっと続けるつもりなんでしょうか。労働者は所詮使い捨てで、モラルなんかどうでもいいんでしょうか。

それでも、少ない給料からこつこつ貯めて資金を作り、自分の家(そして家庭)を手に入れる人もいるでしょう。同じような家庭に育っても、家を出て自分の人生を歩き始めることで自分の過去と訣別したり、逆に和解したりもする。
貧乏に負けてひねくれてしまうのは、結局自分が悪い。
君のそういう考えはよくないよ、と指摘して、どうしたらいいか一緒に考えてくれる人が周囲に一人もいなかった(らしい)のが悲劇の始まりでしょうか。
ネットでは励ましたり諌めたりした人もいたようなのに、素直に聞けなかった(だから誰も相手にしなくなった?)のはプライドが人一倍高かったからでしょうか。有名進学校出身だから、もしかしたら人がバカに見えて話が合わない、といったことがあったかもしれません。
自分で招いた無間地獄の暗い暗い闇。ネットで吐き出せなかったら否が応でも現実に向き合っていたかもしれませんね。

今さらどんなに後悔してももう遅い。死刑を免れることはないでしょうし、7人もの殺された人たちと同様、人生をやり直すことはもうできない。
あまりに幼稚な被害妄想と、自己顕示欲と、必要以上に性能のいい殺人ナイフ。また、多額の(ダルマ式に膨れ上がる)借金もあったらしいですね。
ナイフが規制の対象だったら。サイトを見て危険を察知した数十人の人たちが、運営サイトにではなく警察に通報していたら。運営サイトが日曜日も休んでなかったら…。
それに簡単に借金できない(連帯保証人を求めるなど)システムだったら、追い詰められることはなかったかもしれません。
いろいろと悔いが残り、後味の悪い事件でした。
模倣犯が出ないことを祈っています。



※最初、暴力団組員という一報が流れましたが、ガセネタだったようですね。



posted by dashi at 23:21| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
dashiさん、こんにちは。
今回の事件、発言が騒がれるのは、発言内容だけに限定すると、「共感できる」と言う人がけっこう居ることもあるかもしれないですね。dashiさんがおっしゃるように模倣犯が出ないことを祈ります。

7人殺したことを受けて、政府が重い腰を挙げて派遣制度を考え直すなんて、見方を変えれば政治自爆テロ。この事件がそういった見本にならなければいいのですが。

政府がネットでの犯行予告を分析するソフトを作ることになったそうですが、一日中ネットをやっている人たちに協力を仰いで人海戦術で対処したほうが早くて確実じゃないかと思います。一般人に駐車禁止を取らせるぐらいなら、引きこもりの人にネットの監視をしてもらって報酬を払ったらいいのに。
今回は2ちゃんねるの書き込みについては万世署に通報がいっていたそうなので、その点でも民間の対応にお役所がついていっていない気がします。

あとは、いつもこういう事件で出てくる分析家やコメンテーターが変な病名をつけて実際の患者さんに失礼なことがないことも祈ります・・・。

Posted by Kashin at 2008年06月13日 06:34
こんにちは、コメントありがとうございます。

一歩間違えば自分も…と考えた人は多いと思います。人材派遣業とか子供との接し方とか、考え直すきっかけにしてほしいですね。
犯人は30分も決行をためらっていたとかで、そこで誰かが「やめとけよ」って書き込みをしてくれてたら防げたのか、被害があまりに甚大で、とても切ないです。

Kashinさんと同じようなこと(一日中ネットをやっている人たちに協力を仰いで人海戦術で対処したほうが早くて確実)を考えた人がいるらしくて、こんなニュースを見つけました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/12/news036.html
矢野さんは「2chで犯行予告を探し、通報しているボランティアは多い。そういった“ネット上の良心”をリソースに、人手で探す人海戦術のほうが、より精度が高いだろう」と考え、CGM(Consumer Generated Media)型防犯システムを発案したという。

総務省の考えること(ネット上の犯行予告を検知できるソフトの開発費を来年度予算の概算要求に盛り込む。費用は数億円)って、なんだかとーーっても時代遅れ、って気がしますね^^。
それにしても、警察は、通報されてもそれに応える体勢をとれるのか、大いに疑問です。
Posted by dashi at 2008年06月13日 21:26
dashiさん、お返事ありがとうございます。
先日、警察が「ゴキブリを殺して欲しい」とか、信じられない理由で出動要請を受ける事例が増えているというニュースを見ました。警察官の方々も大変で、疲れちゃってるかもしれませんね。駐車違反だけじゃなくて、いろんな仕事を役割分担しないとやっていけなくなるのも遠い先の話ではないかもしれません。

総務省の予算、数億円(@@)。なんでそんなにお金がかかるんでしょう・・・。2ちゃんねるに頼んだら、有志が1週間ぐらいで完成させちゃいそうです。

Posted by Kashin at 2008年06月13日 21:53
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