2010年10月26日

子どもに罪はない

先日、近くで催された「日常生活の法律講座」に行ってきました。
テーマは相続と離婚。講師は現役の弁護士さん、15年の経験がある元気な女性でした。
相続は民法の規定に従うことになりますが、嫡出子と非嫡出子の差について質問した人がいました。嫡出子(正式な婚姻関係の両親の間の子)と非嫡出子(早い話が、愛人の子)は相続できる量に差があり、非嫡出子は嫡出子の半分です。
質問したおじさんは「子どもに罪はないのだから、差がつくのはおかしい」という意見です。
講師の弁護士さんも、その言い分には慣れている様子で、
「今、差をつけるのは憲法違反ではないかという裁判が最高裁の大法廷に回っているから、あるいは今後改正されるかもしれない」
ということでした。
ちなみに、最高裁には小法廷と大法廷があり、小法廷は5人の合議に対し大法廷は全員15人で合議します。そして大法廷で審判されるのは普通の案件ではなくて、憲法問題や判例変更などの重要問題にかかわる場合だけ、です。憲法違反という判決がたまに出ることがありますが、これは大法廷での決定ということですね。

愛人側に立てば、同じ子どもなのだから平等に扱ってほしいと思うのは無理ありません。愛人は遺言に書いてもらわない限りゼロなので、子どもの分くらいはもらいたいかもしれません。
でも、正妻(夫が死んだときの場合)の側に立てば、それまでさんざん苦しめた上に遺産までよこせとは、なんてあつかましい女だ、と怒るのも当然。その存在を知らずにいて、夫の死後に突然現れた非嫡出子を前にすれば、どれほどショックを受けることでしょうか。
自分の子がいなくて非嫡出子が二人以上いると、遺産の半分以上を失うことになります。
(妻半分、非嫡出子は二人で半分)
夫にたいした遺産がない場合は、ヘタすると住んでいる家を売り払って遺産分割をしなければならない、なんてこともありえます。生活の基盤をなくし文字通り路頭に迷う。
正妻に子どもがいたらいっそう悲惨なことになります。

世の中には、正妻は書類上だけの存在で、社会的には愛人の方が妻として認められているという例も少なくありません。もう亡くなりましたが女優の沢村貞子さんもそうでしたし、宮城まり子さんもとうとう吉行淳之介さんの愛人のままでした。
(今は別居期間が長くなると、裁判をおこせば離婚も出来るようです)
愛人イコール悪人とは思いません。でも(上の二人と違って)子どもを生むなら、それを略奪婚や一攫千金の道具にせず、それなりの覚悟の上で生んでもらいたい。その子だけでなく、嫡出子にも罪はないのだから。


posted by dashi at 21:36| Comment(0) | 社会問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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