2010年06月23日

心裡留保

今、一念発起して宅建にチャレンジ中です。
宅建とは何かというと、正式名称は「宅地建物取引主任者」資格試験、ですね。不動産取引に必要とされる資格です。誰かが自分でアパートを建てて貸すだけなら宅建主任者は必要ないですが、販売となると契約の場に必ず現れて関わることになります。不動産業を営む法人では従業員の5人に一人頭の宅建主任を置かなければならないので、ある程度の社会的需要はありますし、一度取ると一生有効の資格です。

ヘルパーで行った先の利用者や、サービス責任者に軽くあしらわれることが何度かあり、「私はあなたが思ってるほどバカじゃないんです!」と言いたくなった。そして「そう? ほんとに?」と冷ややかに笑う自分いて、「本当に馬鹿じゃないかどうか、証明したくなった」のでした。
学校に通う時間(の自由)もカネもないので独学、効率が悪いとは思いますが仕方ありません。
私は不動産業なんてガラじゃありませんが、建築基準法なんかは「ほほー」と目からウロコだったり、不動産関係以外にも民法や税法など幅広い知識が必要とされるので、なかなか面白いです。

民法をかじってみて、独特の法律用語には驚かされました。
例えば「心にもない冗談」。心裡留保と書いてしんりりゅうほと読みます。法律関係者以外で聞いたことある人は少ないでしょう。
昔、当時は仲の良かった姑さんが「相続した土地が売れたらdashiにも100万円あげるわね」と言ったことがありましたが、あれはこれだったかもしれない。
宅建講師をしている人のブログを読んでいたら、
「ここの問題全部できた人いますか? いたら賞金1万円!(心裡留保)」
と書いてあって、大笑いしてしまいました。

「善意」「悪意」はそれぞれ「知らなかった」「知っていた」の意味で使います。用語に慣れるまでは「悪意」と聞くと腹黒いイメージを持ってしまうのも、当然というところでしょうか。
こんなのもあります。
「近隣商業地域内においては、料理店は建築することができない。」
え? どうして? と思いませんか。
なぜかというと、「料理店」というのはファミレスなど一般の食堂を指す用語ではなくて、いわゆる風俗関係の店を意味するのだそうです。ご飯食べに行くところは「飲食店」。
一般社会と乖離した感覚なのかもしれませんね。

昨日の朝日新聞に、宅建に合格して孫と一緒に開業した80歳(!)の女性の投稿が載っていました。学校に通って勉強するのがとても楽しかったようです。
法律関係では宅建は一番易しいAクラスの資格だそうですが、楽しむだけでは無理で、やっぱりそれなりに努力しないと通るはずはない難関。10月17日まであと4ヶ月弱、頑張ります。
posted by dashi at 21:44| Comment(3) | 興味津々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月16日

貸本マンガの思い出

朝8時からの「ゲゲゲの女房」を楽しみに見ています。
ちょうど貸本マンガが衰退していく時期で、出版社が軒並みつぶれて原稿料もまともにもらえず、赤貧洗うが如し。でも電気がとめられる事態にもひょうひょうと明るく、たくましい。それがこのドラマの高視聴率(朝ドラでは久しぶりでは?)となっているのでしょう。
この貧乏も週刊誌にシフトするまでのことかと思いますが、かの水木しげるさんにこんな時代があったのかと感慨深いです。

私も子どものころ貸本マンガ(背表紙が赤い地にロウソクの絵)にはずいぶんお世話になりました。家で絵本を読んだ記憶もないので、たぶん字も覚えたのもマンガ。私の人格形成にかなり影響したと思います。
小さいころのことですから小遣いももらえず、安いとは言っても(15〜20円ぐらい?)貸本代が自由になる立場ではありませんでした。だからすべて、姉たちが借りてきたものを見せてもらっていただけです。
姉は4人いて一番歳が近いのが4つ上ですが、この姉はマンガ好きではなかったので、たぶん6つと8つ上の姉たちあたりが借りていたのではないかと思います。そう考えるとかなり背伸びをした趣味だったわけで、私は幼いときから「ませくれ(早熟ってことです)で可愛げがない」と言われていたものですが、案外このあたりが影響しているのかもしれません。

木内千鶴子さんのマンガは主人公は優しくて貧乏、金持ちの意地悪な子にいじめられるというステロタイプでした。意地悪な子がひどいめにあう勧善懲悪は徹底していたと思います。
矢代まさこさんは左翼系の人だったのか、労働問題(炭鉱の閉山とか)を扱うような硬派で、私はよくわからないながらも大好きでした。

そして強烈な印象を残しているのが楳図かずおさんです。偶然が重なっていく「私という名のミツキ」など一話完結の短編ばかりでした。味噌汁の中から長ーい髪の毛が出てくるシーンなど、ゾクゾクするくらい怖かった。
事故で意識不明になったあと、振り向くと人の頭の上に余命をあらわす炎が見えるようになった話では、振り向いて鏡をのぞき自分の余命を知ろうとするシーンには子供ながらとってもドキドキして、「怖くてどうしても見られなかった」のに、そりゃそうだとホッとし、また転んで?頭を打ったら炎が見えなくなったという結末にはよかったねーーと嘆息したりしたものでした。
なお、何年かあとに同じ作者が同じ題材で描いたマンガを見ましたが、媒体が女の子向けの雑誌だったせいかちっとも怖くなくて、楳図かずおの変節ぶり(たぶん編集部の意向)が寂しかったです。

小さい貸本屋さんもつぶれ、私も大きくなってマンガをあまり読まなくなったあと、懐かしい再会は上京してからのことでした。学生街だったからか、アパートのすぐ近くに貸本屋さんがあったのです。感激しました!
昔の田舎の貸本屋さんとは趣も品揃えも格段に違い、垢抜けていました。さすが東京(新宿区)。
今はマンガ喫茶というのがありますが、お茶は飲めないけどあんな感じに小奇麗なところでした。
私はそこで「MW」など(高くて買えない)手塚治虫さんの長編を借りまくったものですが、残念ながら間もなく店じまいしてしまいました。

「ゲゲゲ」に出てくる国防婦人会の亡霊のような親の元に生まれた子供たちは、貸本を読めなくて悲しい思いをしたことでしょう。ドラマの中でも泣いていました。(隠れて読んだかな?)
私の親はマンガなんか読むなと言うこともなく私はラッキーでしたが、もっとマシな本を読めばいいのにとは思っていたかもしれません。

posted by dashi at 17:05| Comment(2) | 興味津々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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