2010年03月22日

就眠儀式

ウチの息子も22歳。すっかり落ち着いた最近の姿からは、人よりかなり遅くやって来た思春期と、14年通い慣れた学校から仕事場に移った、その環境変化の大きさに順応する期間がやっと終わったのかなと思います。
学校は自閉症には苦手な年中行事のとても多いところで、親も学校に出向くことの多い忙しいところでした。一方卒業後に入ったのは、自閉症に特化した先進的なところで、全員参加の行事は一切ありません。本人にとっては理想的な環境のはずですが、学校とのギャップの大きさに慣れるのは大変で時間もかかったのだろうと思います。
その息子、このごろはトラブルも少ないのですが、自閉症だな〜とため息が出る思いがするのは毎夜の就眠儀式です。

就眠儀式という言葉はよく耳にするので、ごく一般的な言葉かと思っていましたが、広辞苑にも大辞泉にも載ってません。ネットで検索したら、三省堂の大辞林にやっと見つかりました。
[就眠儀式] 強迫行為の一。一定の順序で一定の行為を繰り返さないと就眠できないこと。
とあります。
自閉症の子どもがいるから私にはなじみがあるだけで、一般にはそれほどでもないのかもしれません。
でも言葉にはなじみがなくても、これをやっている人は多いと思います。寝る前には寝床で本を読み、決まった形にしおりをはさんだりいつもの場所に本を戻すとか、毎日決まった深夜放送を聴き、聴きおわったら必ず目覚まし時計を確認するとか。私の場合は水をコップに軽く一杯飲み、そのあと必ずトイレに行かないと寝付けないです。
だから息子に就眠儀式があっても無理はないのですが、やることがけっこうアホっぽいのです。付き合わされる私もアホっぽい…^^。

歯磨きしてトイレに行ったあと冷たい水を一杯飲み、そのあと着ていた下着を脱いで(たたんで椅子に置く)真っ裸になります。そして、一枚を3つに切った古タオル(友人知人に声をかけて恵んでもらっています)を何か言いながら取り、自分の部屋に駆け込む。
それから、シュレッダーでひとしきり封筒やレシートをゴリゴリ。このときのために使い古しの封筒(色つきで少し厚めが好み)をもらってあります。
(裸のお尻で座るところに洗えるマットを敷いています)
そのあたりで私が引き戸を開けて声をかけ、寝るようせかします。するとベッドに上がって、さっき取ってきた古タオルの、ミシン目を指や歯で開いていきます。ヨレヨレの古いタオルの方がミシン糸が柔らかく、ぴりぴりーと一気にほどけるので面白いようです。
(一枚のタオルを3つに切ってあるので、真ん中の部分に当たった日は、ぴりぴりーはナシです)

それが終わったら、CDプレーヤー代わりに使っているパソコンのマウスを、机のふちにタンタン、タタタタ、タタタタ、タンとリズムをつけて打ちつけます。
それからベッドの足元の方に行き、少しずれたベッドマットをひざでぐいと押します。
そして、次にCDを聴くのに使っているヘッドホン(小さい)を両手で持ち、マウスと同じリズムで机を軽く叩いて鳴らします。
それから「おやすみ」と言いながら急いで部屋の電灯を消しに行きます。私も「おやすみ」と応えながら戸を閉めます。

見てなくてほっといても同じことをしているようですが、かなりぐずぐずしているので、この数分を私に見守ってせかしてもらいたいのだろうと理解しています。
マンガチックな就眠儀式ですが、外泊するときはやらないし、よそではちゃんとパジャマも着ます。家でぐらい好きなようにして、情緒が安定するならそれでいいかと付き合っています。

posted by dashi at 17:39| Comment(2) | 自閉症関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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