2010年03月17日

地獄あれこれ

「地獄」で広辞苑をひくと、5番目の意味として、
火山の、絶えず噴煙が噴き出している所。また、温泉地で絶えず煙や湯気が立ち、熱湯の噴き出ている所。とあります。
私の田舎は火山のふもと近くにあるので温泉が多く、地獄と呼ばれる温泉街も半日でちょっと行ってくるという距離にありました。湯気と硫黄のにおいのたちこめる中、ふつふつと湧き出る熱湯で茹でた卵を観光客に売っていたものです。
そういう地獄なら人々のなりわいと共存するわけですね。
余談ながら、同じ山のふもとの温泉でも湯質はかなり違うようで、私の家族でも好みの合う温泉がバラバラでした。子どもだった私は連れて行ってくれる相手によって、あちこちの温泉にお供したものです。地獄が見られるところはあまりありませんでした。

地獄という語意からしてあまりいいことには使われないのは当然ですが、可哀相なのは「地獄蝶蝶」(じごくちょうちょう)です。黒い体色からの命名でしょうか、クロアゲハを関東地方でそう呼んでいたそうです。きれいな蝶だと思いますが…。
こちらに画像と解説があります。
http://spindasis.sakura.ne.jp/ageha/kuro/kuro.html

地獄耳」という語は、一般には「人の秘密などをすばやく聞き込む耳。早耳」の意味で使われ、あまりいい語感ではないと思いますが、広辞苑では「一度聞いたらいつまでも忘れないこと。強記」というのが第一義となっていて、本来はほめ言葉のようです。
一方「地獄覚え」というのは「人が忘れて欲しいようなことを意地悪く覚えていること」と文句なしの悪い意味。
マスコミは地獄覚えの権化ですね^^。

地獄詰め」というのもあります。
イメージとしては、通勤時間帯のJRや地下鉄でしょうか。私もOLだった昔、当時一番混むと言われていた新宿〜池袋間の山手線に乗って通勤していました。足元に靴半分のスペースがあれば乗り込んでいましたし、ホームに人がいっぱいで危ないからと階段の下でストップされたこともありました。
「地獄で罪人を詰めるように、ぎっしりむごく詰め込むこと」。むごく、というのが言い得て妙です。地獄詰めの日々、今となっては懐かしく思い出します。

今の時代に生まれてよかった、昔の女の人は苦労したなあとしみじみ思うことがよくありますが、「地獄腹」には絶句しました。なんと、「産んだ子が女ばかりの女性をののしって呼ぶ語」なのだそうです。
高校の生物の時間に私たちは、受精のときヒトの性を決定するのは男の性染色体Yであることを習いました。女のXXと男のXY性染色体の順列組み合わせ。女にはXX染色体しかないのだから、男の子になるかどうかは男次第、と生物の先生がちょっとニヤニヤしながら言っていたのをかすかに覚えています。
それなのに女の子しか産まれなかったら女腹とあざけることは(これは今でもたま〜に聞きます)、全くの濡れ衣。それなのに、よりによって<地獄>腹とは!
無知蒙昧、偏見のカタマリ。教育の重要性をあらためて感じます。
私の母などは女の子ばかり6人も産みましたから、婿養子の家でなかったらさぞかし辛い思いをしただろうと今さらながら思います。 
posted by dashi at 23:17| Comment(0) | 雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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