2007年05月12日

むずむず脚症候群(RLS)

車の仕組みはさっぱりなのでいざと言う時は他力本願しかなく、JAFの会員になっています。
「JAF会員でよかった!」と姉がしみじみとつぶやいたのは、むかし、私を送るために新神戸駅に向かうバイパスでのことでした。アクセルが効かない、ヘンな感じだと言うので計器を見てびっくり、なんと燃料が無くなっていたのです。いつもは周到な義兄が給油してくれていたので、文字通り油断したのでした。
片側一車線しかないかなり狭い道路で、脇によけることが出来ない。がくんとスピードが落ちて、アクセルをいっぱいに踏み込んでも時速20キロぐらいしか出ません。歩く方が速いんじゃないかと冷や汗が出ました。
事情を知らない後続車はビービークラクションを鳴らします。それは当然だけど停車するわけにもいかない。リヤウィンドー越しに頭を下げるしかありません。悪いことに、山の中を走っているのでトンネルまであります。
姉は「怖いよ〜」と泣きそうになりながら、とにかく前へ進みます。やっとのことで料金所にたどり着き、車を脇のほうに寄せて、携帯電話もない時代なので料金所のおじさんにJAFを呼んでもらいました。後続車はさぞかし悪態をついたことでしょう。

JAFは社団法人・日本自動車連盟(Japan Automobile Federation)の略称です。
ロードサービスのほか、各種啓蒙活動、モータースポーツ主催などの事業を行っているようですね。
会員を対象に、ふだんは見る機会のないダミー人形を使った衝突実験の見学会も企画されていたようでした。
今はロードサービスは任意保険で保証している場合も多く、年間数千円のJAF会費を惜しむ人もあるようですが、こういうことは任意保険の会社には期待できないでしょうね。
会員には機関誌「JAF Mate」というのが送られてきます。なかなか盛りだくさんで、けっこう予算がついていそうな冊子です。
車に関する情報だけをよくこれだけ集められるなと感心しますが、中井美穂インタビューにも豆知識が盛り込んであったりして、なんとか一般ドライバーの意識を高め、事故を減らそうと努力している姿勢を感じます。

このJAF Mate3月号に、「睡眠と運転」をテーマにした記事がありました。
睡眠不足が事故に直結するのは異論のないところだと思いますが、睡眠不足を引き起こす原因の一つに「むずむず脚症候群」というのが紹介してあって、これはもっと注目されてもいいんじゃないかと思いました。
調べてみると、もう2年以上も前の記事(読売オンライン)が見つかりました。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/sa522801.htm
同じ<睡眠不足につながる病気>でも「睡眠時無呼吸症候群」は認知度もだいぶ上がりましたが、「むずむず脚症候群」の方はまだあまり聞きませんね。
でも決して珍しい病気ではなく、判明しているだけでも120万人。国民の3〜4%、潜在患者も含めると500万人の患者がいるとの推測もあるそうです。

この耳慣れない病気、患者が常に脚を動かさずにはいられない状況から、「レストレスレッグス症候群」Restless Legs Syndromeとも 呼ばれます(略称「RLS」)。レストレス・レッグス、「休めない脚」。患者の苛立ちをよく表した病名だと思います。
主に夕方から夜、じっとしていると症状が現われ、動かしているといくらかマシ。だから当然、よく眠れないということになりますね。
「むずむず脚」といってもちょっとむずむずするのはまだいい方。中には痒かったり火照ったり、けいれんしたり、虫が這い回って刺しているような不快憾や激痛を訴える人もあるそうです。
ふくらはぎが多いけど脚だけのことではなくて、腰から背中、全身にまで症状が現われる人もいる。遺伝性の場合は若いうちに発症したり、足を除いた全身に出ることもあるそうです。
患者の苦しみもそうとう深刻に思えますが、これほどに情報が少ないのは、命の危険は低いと見られて研究が後回しにされているのかもしれませんね。

RLSは40代以上の、特に女性に多く(男性の1.5倍)、これは鉄不足の貧血が女性に多いからということです。
「そう言えばあの頃…」と思い当たる人もいるかもしれません、妊婦には5人に1人の高率で現われるそうです。
腎不全で透析を受けている人には3人に1人。パーキンソン病や糖尿病の人にも多いそうで、もとの病気に加えてこんな合併症で眠れなかったら、かなり辛そうですね。
そして、「抗うつ剤や抗精神病薬を服用している場合」にも。不眠を訴えて受診したらそういう薬を処方されることは多々ありそうですが、睡眠導入剤(サイレース)では却って悪化するそうです。
RLSは薬でだいぶ改善できる病気なのに、医療関係者にもまだあまり知られていないため長引くケースも多いようです。

心がけることとしては、喫煙・過度の飲酒・コーヒーなどカフェイン飲料を控える。寝る前に足をストレッチやマッサージで血行良くするのも効果があるそうです。
そして病気の原因ですが、鉄欠乏性貧血や、脳に指令を伝えるドーパミンの分泌に問題があることはわかっているようです。だから貧血の治療薬のほか、ドーパミンの働きを補うドーパミン受容体刺激薬(プラミベキソール:パーキンソン病の薬)や、(なぜ効くのかはっきりしないが効果が認められている)抗てんかん薬のクロナゼパムなどが有効。本来の用途の数分の一使用し、副作用はないということです。
現在はRLSの正式治療薬としてはまだ臨床試験の段階らしいですが、もともとの治療薬としては認められているものだし、欧米ではすでに使われている。日本でも時間の問題でしょう。
薬について詳しいページがありました。http://www.geocities.jp/yoshinobu3710/treatment.htm
「気のせい」とか「加齢によるもの」と片付けられやすい病気だそうですが、よく眠れない辛さは傍にはわからない。このRLSが広く知られるようになって、どこでも適切な治療が受けられるようになることを願っています。
posted by dashi at 23:40| Comment(4) | TrackBack(0) | 興味津々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする