きょうは神奈川県知的障害養護学校PTA連合会(県知養P連)主催の、講演を聞きに出かけました。(きのうは学校のマラソン大会だったし、障害児の親もなかなか忙しいです)
講師は横浜市立大学医学部付属病院・小児精神神経科部長、医学部助教授(児童精神科医)で、学校保健審議会委員、日本児童青年精神医学会評議員などをされている竹内直樹先生、テーマは「障害とともに生きる」です。
途中まで車で行ったらえらい渋滞に引っかかり、10分ばかり遅刻してしまいました。コソコソと会場に入るとお話はもう始まっていて、用意された席がほとんど埋まる盛況ぶり。保護者(養護学校の母親がほとんど)の関心の高さが伺われました。
ウチの息子は本来ならもう養護学校高等部を卒業して社会人になっている年齢ですから、講演を聞くにはもう時期を過ぎたという印象はありました。先生もおっしゃっていましたが18歳を過ぎたら落ち着く子が多い。「障害児の親」も一段落です。どう「障害とともに生き」たらいいのか模索し、問題行動に振り回されて悩み、対応を人に相談したりするのはその前の時期だと思います。
私も小学部のころに聞いていれば子育ての参考になったかもしれない、と思える話が多かったですが、それでも心に残ったことはいくつかありましたので、ご紹介したいと思います。
(メモも取らずに聞いて、記憶だけで書いていますので多少私のフィルターで「脚色」されているかもしれません。その点割り引いて下さい)
机の上のものを払いのけてしまう、という行動に悩んでいる事例が出ました。食卓でこれをやられると、食器は倒れたり割れたり、中身はぶちまけられて食べられないし、あとの掃除も大変です。この子の場合は養護学校の先生たちが創意工夫して乗りきったようでした。
講演のあとの質疑応答で、この「払いのける行為」の原因は何だったのですか、という質問が出ました。
そこで先生がおっしゃったのは、原因を追究するのはとりあえず「棚上げ」した方がいい、ということです。なぜなら、原因を考えると「犯人」を作ってしまうから。お父さんがああ言ったからだ、お母さんがあそこでこうしたからだ、薬のせいだ、先生が……。
たしかに、子どもの行動に出ることにはいろんな要素が複雑に絡み合っているわけで、これと決めつけるのは不適当かもしれませんね。本当にそうだったのかは、神ならぬ身、誰にもわからないことです。
子どもを育てるのには周囲の人間が力を合わせていかなければならないから、犯人探しはしない方がいいのかもしれません。よりよい環境を整える努力はするべきでしょうけど。
詳しくは聞いていないのですが、問題行動の「原因」がわかっている事例は、(こうするとこう出ると一般に言われていることでも)実はホントはとても少ないものなのだそうです。
本人にも原因がわかっていないけどなんだかイライラして殴りたくなる。そういう時はとにかく殴られそうな人を物理的に離して様子を見るのがいい。なんとかその場をしのぐことを考える。
もう一つ、「ポジティブ・シンキング」のお母さんの話。
障害児の母親で、前向きに熱心に活動していた明るいお母さんが、脳腫瘍で手術を受けた例があったそうです。
するとこのお母さんはあくまでもポジティブ・シンキング(positive thinking 前向き思考)で、「いい先生に執刀してもらえてよかった」「今まで子どものことだけだったけど、自分のために時間を使ってゆっくり休める」と言っていたそうです。
でも実は、先生がおっしゃるには「明るい、前向きなだけの人は無理をしている」のだそうです。だから脳腫瘍にもなる(?)し、キッチンドリンカーにもなりがちとのこと。
「いつも明るい人は一人で泣いているんですよね」という言葉に深く納得した私です。
無理しないで愚痴も言い合える家族や友人の存在がとても大事、あらためて心したいと思いました。
なるべくポジティブ・シンキングでいきたいと思ってはいますけどね。

